2021年9月3日金曜日

「このゲームの大正天皇は植民地を手放している」なんて説は通用しないよ。「偉大なる」明治天皇より受け継いだ植民地を、大正天皇が手放すはず無いだろう

この時代の日本は当然、台湾と韓国を植民地支配していた…


『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2)の舞台は1931年の大日本帝国であるが、元号は架空の「大正20年」となっている(史実だと「昭和6年」)。つまり、大正天皇が1931年になっても存命という設定だ(史実では1926年に死去)。
1931年だと、日本は台湾と韓国(朝鮮)を「天皇の名の下に」植民地支配していた。これは明治時代から続いており、日本の敗戦まで続いた。日本政府は植民地の人々から搾取を行い、それによって日本は発展したのだ。
このゲームで大正天皇と国体を守護している味方組織・超國家機関ヤタガラス(以下ヤタガラス)は、当然その植民地支配にも関与していることになる。ゲーム上ではそんな描写は無くても、第七話で「天皇を救うようにヤタガラスに強要される」イベントを見れば、「ヤタガラスは天皇を護っているのだから、天皇の名の下に行われる植民地支配に反対するようなことは決して無い」と分かるはずだ。
なので、このゲームは「天皇の名の下に行われた植民地支配を正当化するような内容だ」と私は思っている。

「このゲームでは大正天皇は植民地を手放している」なんて都合の良い説が通用するはずは無い…

しかし、こういう話をすると「きっとこのゲーム上の日本では、大正天皇自ら植民地を手放しているのだから、ヤタガラスが植民地支配に関与しているわけない!」と言い出す者も現れるだろうが、そんな都合のいい説は通用しないよ。
大正天皇は、父である明治天皇から植民地を受け継いでいる。明治天皇は当時非常に尊敬されていた人物だ。その「誇り高き父より譲られた植民地」を、大正天皇が手放してしまうことは決して無いだろう。
もしもこのゲーム上の日本で、大正天皇が植民地を手放していたとしたら、植民地からの搾取が一切無くなるので、帝都は発展せず荒れ果てていたに違いないし、軍備も史実よりショボくなるので「超力戦艦ヤソマガツ」のような巨大戦艦(ロボットに変形する。元は海軍が捨てた戦艦らしい)も作れなかっただろう。
また、筑土町に居るNPC(軍人)と話すと、「我々の外国攻略の恩恵があってこそ、貴様らの平穏があるのではないか?」と言うことがある。ここで言う「外国」とは多分アジア圏のことだろう。これは「日本が起こした侵略戦争のこと」と、「日本は侵略の末に植民地にした国から徹底的に搾取し恩恵を受けていること」を現しているのだと思っている。そう考えれば、このゲーム上の1931年の日本でも、台湾と韓国からの搾取は続いているとしか思えないだろう。