2021年7月25日日曜日

このゲームでいくら「軍事社会・戦争への警告」を訴えたとしても「天皇守護組織を味方としている」時点で台無しになっている

このゲームは「軍国主義・全体主義への警告」を現している?

『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs. the Soulless Army)』(プレイステーション2)のプレイヤーの中には、「このゲームは大日本帝国時代の軍国主義や全体主義への警告をテーマにしているから、大日本帝国礼賛ゲームでは無い」と思う人も居るようだが、私はそうは思っていない。
たとえ、製作者の意図がそうであったとしても、大正天皇を守護している組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。国家神道がモデル)が味方である時点で台無しになっていることには気が付かないのだろうか?

天皇制こそが「全体主義・軍国主義」の元凶なのだが?

そもそも天皇制は身分差別制度だし、明治から昭和の終戦までの天皇は軍の大元帥であったし(このゲームでは海軍のみの大元帥になっているのが気になるが…)、さらに天皇制は家父長制の元凶でもある。天皇家を守護するのは、要は「差別思想、家父長制思想、軍国主義、全体主義を称賛している」のと同じことだろう。
つまり、このゲームでどんなに「戦争反対、軍国主義・全体主義反対、差別反対」を訴えたとしても、天皇守護のヤタガラスが味方である限りは何の説得力も無い。さらに「ヤタガラスの命令で天皇にまつろわない者たちを倒して大日本帝国を護ったり、危機に陥った天皇を命がけで救ったりする(「教育勅語」に似ている)ような話」のどこが「軍国主義・全体主義への警告」と言えるのか?