2021年8月24日火曜日

鳴海は第拾話で「日本を破壊しようとする者たちと、ヤタガラスの両方に足搔いてやる!」と言うべきだったんだよ…

いくら「人として足搔いてやる」と言ってもカッコよくないよ…


『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(プレイステーション2)の第拾話で、敵のスクナヒコナを倒した後、仲間の「鳴海」(探偵の男)と話すとこんなことを言う。

「神だなんだの復讐やら、一握りの奴らの都合やら…。そんなもんで世の中の皆が振り回されていいわけがない。ヤタガラスの指示なんかじゃない、俺は一人の人間として足掻(あが)いてやる!」 

「一人の人間として足搔いてやる」…、一見カッコいいことを言っているように見えるけど、私に言わせてもらえば全くカッコよくないよ…。
というのも、このセリフは結局のところ、日本と天皇を守護する「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)と同じこと(敵対勢力から日本を救う)を今後も自分が続ける、と言っているわけだからね。

「日本を破壊する者にも、いずれ日本を破壊に導くヤタガラスにも足搔いてやる」、と言わなければ…

何度も言うが、このゲームの時代(1931年の日本。元号は架空の「大正二十年」)において「天皇を守護する」とは、「将来天皇の名の下に行われるアジア・太平洋戦争に積極的に参加する」ことを意味しているので、「ヤタガラスに従い続ければいずれ戦争に負けて大日本帝国は消滅する」という未来が確定してしまう。そう、ヤタガラスを滅ぼさない限り、いくら「日本に仇名す輩」を倒したとしても将来の日本崩壊は免れない。これはラスボスの「伽耶に憑きし者」も言っていたことだ。
鳴海は第拾話で「現在日本を破壊しようとする奴らにも、将来日本を破滅させるヤタガラスにも足搔いてやる!」と言わなければ何の意味も無いってことだよ。そして「ライドウよ、俺には何の力も無いから、お前が両方を滅ぼしに行ってくれ…」とライドウに頼むべきだった。