2021年8月13日金曜日

このゲームの世界でも近いうちに「満州事変」は確実に起こるよ…。「このゲームは架空の日本なんだから起こるわけない!」というのは通用しないんだよ

(※画像は筆者のコレクションより。イメージです)

満州事変が起きていない時代だとは思うが…

『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs. the Soulless Army)』(プレイステーション2。以下『超力兵団(Soulless Army)』)は架空の1931年の日本(元号は「大正二十年」という架空のもの)を舞台としているが、史実では1931年9月18日に起きた「柳条湖事件」を発端とする「満州事変」はこのゲーム上の日本ではまだ起きていないように思われる。
ただ、いずれは両方とも起こることは確実だろう。未来が垣間見える「アカラナ回廊」ではそれについては描かれないとしても。なぜなら、この満州事変がきっかけで日本は日中戦争、そしてアジア・太平洋戦争へと突き進んだわけで、アカラナ回廊ではそのアジア・太平洋戦争について言及があるのだから。

「架空の日本だから起こらない!」というのは通用しないよ…

そう言うと、「このゲームは架空の日本が舞台なんだから柳条湖事件も満州事変も起きないよ!」と言う意見も出てくるかも知れぬが、いくら架空の日本、架空の元号であってもそれはあり得ない。
このゲーム上の日本でも日本軍が存在しているのがその証拠だ。さらに直接は言及されないがNPCのセリフを見ると「日露戦争」や「日清戦争」も確実にあったとしか考えられない。そうなると「関東軍」も確実に存在するだろうし、また天皇を神聖視する「超國家機関ヤタガラス」が味方であったり、第伍話で海軍の定吉が「宗像は敵国に無敵の軍隊を送る計画を立てていた…」と言っていたりするのを見るにつけ、やはりこのゲーム上の日本も「天皇の名の下に隣国を侵略して支配する願望にとりつかれた国だ」としか思えない。
だとすれば、この『超力兵団(Soulless Army)』上の日本でも、近いうちに確実に柳条湖事件、満州事変は起こるだろう。製作者は満州事変を描きたくないから、「1931年であっても、満州事変の起こる少し前の時代」を選んだのだろうか。