2021年3月10日水曜日

ヤタガラスが味方なのは、要するに「権力側に付き従い、歯向かう者たちを弾圧する」ことだから…

超國家機関ヤタガラスが味方であることの問題点

『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(アトラス。プレイステーション2)では「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)という「天皇を守護し、日本を霊的な力で支配する組織」が主人公・ライドウの味方である。この設定の問題は多数あるが、今回取り上げるのは「権力に付き従うこと」の問題。


結局のところ「権力者に付き従うことを良しとしている」話だから

ヤタガラスが味方ということは、必然的に「強い権力者側」に付き従うことを意味する。ヤタガラスに従い戦うのは、結局のところ「権力に従わない者たちを弾圧する」ことになってしまう。一見するとこのゲームのシナリオは「帝都を崩壊させようとする、強くて悪い奴らを倒す」話のようだが、実際のところは「敵よりももっと強い権力と力を持つヤタガラスの命令に従い、絶対権力に歯向かう者たちを弾圧している」のである。これこそが「ヤタガラスが味方であること」が問題である理由の一つ。それこそ、かつてのドイツで例えるなら「ナチスの味方をしている」のと同じことだ。