2020年9月13日日曜日

このゲームの問題点・其の壱

 『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』とは

このブログで扱うゲーム『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2。以下『超力兵団』)について簡単な説明をしたい。

『超力兵団』とは、アトラス社が2006年に発売したRPG(戦闘シーンのみアクション要素あり)。『女神転生』(『メガテン』)シリーズの一種。対象年齢は15歳以上であり、「暴力やグロテスクな表現を含む」(主に戦闘シーンの流血描写)ので注意が必要。

『超力兵団』の舞台は1931年の大日本帝国の中心・帝都(東京)であるが、このゲームでは「大正20年」[*1]という架空の元号になっている。つまり、「大正天皇が1931年でも存命である」設定だ。

主人公は、「デビルサマナー」の少年・葛葉ライドウ。デビルサマナーとは「悪魔」を「仲魔」(味方)にして共に戦うことが出来る職業のこと。「悪魔合体」という、『メガテン』特有のシステムも搭載されている。

このゲームは、私は今でも時々プレイするし、主人公のライドウは好きであるが、様々な問題点を抱えている。
今回は、その問題点のうち一つを書いておこう。

「天皇崇拝組織が味方で、逆らう者を倒す」のは問題

まず「基本的な設定とストーリー自体が問題」だと思っている。

これが設定とあらすじ。

「『超國家機関ヤタガラス』(以下ヤタガラス)なる、『天皇を守護する組織』に仕える主人公・葛葉ライドウが、帝都破滅の危機を救うために、敵である『天皇にまつろわぬ者たち』を倒していく」

ヤタガラスとは「古代から日本を霊的な力で陰で守護し、支配する組織」だというが、その実態は謎とされる。だが、これはかつて存在した国教である「国家神道」をモデルにしていると考えていいだろう。『超力兵団』の第七話では、ヤタガラスがライドウに対して「大正天皇[*2]を救え」(救わなければ先には進めない)と命じるところからすれば、「天皇を現人神として信仰している」ことは安易に予測出来るから。

そのヤタガラスを味方にするとは、何を意味するか。それは、「天皇制が持つ差別性に気づかぬまま、あらゆる差別に加担してしまう」ことだと考えている。
そもそも天皇制とは「身分差別制度」であるのだが(他の差別も含まれる)、それを意識することの無い人が日本には多いのも実情なのか…。皇室ファンも多いし。
だが、例え日本がそんな実情としても、「天皇制は差別制度だから廃止せよ」、「昭和天皇は戦犯だ」(大正天皇は昭和天皇の父である)と常々思う人…、つまり「天皇にまつろわぬ人」は現実に居るわけだし、そういった人がこの『超力兵団』をプレイする可能性があることも考えずに、このような設定・ストーリーを作ったことは非常に問題があると、私は考えている。

参照ゲームソフト

  • デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(プレイステーション2/発売元・アトラス)

参考文献

  • デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
  • デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式完全本(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)

[*1]史実では昭和六年
[*2]「天皇」とははっきりとは言っていないが、明らかに大正天皇だと分かる

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