2022年4月21日木曜日

『ライドウ対超力兵団』の第七話は、青少年向けゲームでは決してやってはいけない話だ! 戦争と植民地支配の正当化、天皇崇拝の美化だからだ!

第七話はメガテン史上前代未聞の…


『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(PS2)の第七話を改めて確認したが、本当に酷い話だった…。ここで改めて批判しておこう。第七話のあらすじはこうである。

ライドウの上司である鳴海が海軍によって人質に取られる。彼をこれ以上苦しめないために、日本守護組織・超國家機関ヤタガラス(以下ヤタガラス)の命令で「大正天皇としか思えない」日本にとって重要な御方を敵の呪いから救わなければならない。しかもそれに逆らうことは出来ない…。

これは、天皇を「神聖なる神の子孫」として扱い、天皇崇拝を美化し、天皇の名の下に行われた植民地支配や侵略戦争を正当化することにも繋がる、メガテン史上…、いやテレビゲーム史上前代未聞の問題作であり、青少年向けゲームではやってはいけない話だ。そして反天皇制の者の怒りを買い、在日の人や韓国人、中国人たちを傷つけるものでもある。このシナリオを何の疑問も無くこなしてしまえる人間は、無意識のうちに天皇崇拝をしているのだ!

ヤタガラスの者みんなやっつけてしまえ!

第七話のモブキャラのセリフで「怖い顔して、嫌なことでもあったのかい?」というのがあるが、確かに私は怒りを覚えた…。ただし、それは「鳴海を人質に取られたこと」では無く、天皇を救えと命じられたことへの怒りである! この辺が製作者の認識とはズレている。製作者は「鳴海を人質に取られたことに怒るだろう」と思ってこのセリフを入れたのだろうが、反天皇制の者は「日本軍の大元帥・天皇を救わされること」に怒りを覚えるのだ。

定吉と話すと「帝都に居る大切な人を思うのなら我々に協力しろ」といったことを言うが、鳴海のことを大切だなんて思わないプレイヤーも居るのに、一方的なことを言う…。定吉は大嫌いだから、早く戦争にでも行って二度と帰って来るな!

天皇に呪いをかけたヒトコトヌシを倒すと、「高貴な声が聞こえる」というメッセージが出るが、これはヤタガラスの使者の声のことだ。これは、ヤタガラスの関係者はやはり「高貴な身分の天皇」と関わっていることを暗示しているのでは無いだろうか。

ライドウよ! 私の望みはお前がヤタガラスを裏切り、ヤタガラスの使者も定吉も、葛葉とヤタガラスの関係者も全てやっつけて、葛葉とヤタガラスを崩壊させ、天皇制も大日本帝国も滅ぼしてしまうことだ! お前なら必ずやってくれるだろう! 私の中では彼こそが帝都の破壊者なのだから…! さあ、早く行け!

2022年4月8日金曜日

ファンタジーRPGなら「滅私奉公」でもいいけど、『ライドウ対超力兵団』の世界観でやったらただの右翼ゲームじゃん…

滅私奉公強要ゲーム


『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(アトラス。PS2)で一番問題なのは、「大正天皇と大日本帝国を護るために己を捨てろ」と強要する、ゲームの基本コンセプトそのものだよ。
このゲームの第七話を見れば分かるはずだ。あれは「大正天皇を救うために己を捨てて奉公しろ」と、天皇と日本守護の右翼(笑)組織・超國家機関ヤタガラスに命じられる話だから。

ファンタジーRPGは大抵滅私奉公ゲームではあるが、大日本帝国を舞台にしてしまうと…

でも、よく考えると日本製の大半のファンタジーRPGは「滅私奉公ゲーム」ではあるよね。今時のものは必ずしもそうでは無いのかも知れないが(オープンワールドものとか)、ファミコンやスーパーファミコン時代あたりに流行ったものは大抵そうだ。
初代『ドラゴンクエスト(DragonQuest)』(ファミコン他。エニックス[現スクウェア・エニックス])だって「世界を破滅から救えと王様に命じられる」ゲームだから、まさに滅私奉公強要ゲームである。初代『ファイナルファンタジー(FINAL FANTASY)』(ファミコン他。スクウェア[現スクウェア・エニックス])しかり、『シャイニングフォース・神々の遺産』(メガドライブ。セガ)しかり。
だけど、これらはあくまでも架空のファンタジー世界だからこそ「勇者になって世界を救うなんて、現実では決して出来ないことをやってみたいな」と思うユーザーが多いから受けたのであって、これと同じコンセプトを「実在した『大日本帝国』という、『侵略ばかりしていた悪の帝国』でやってしまう(いくら架空の日本とはいえ)」のは、どうしても受け入れられない人、反発する人、右翼ゲームだと批判する人も多く出てくることぐらいはアトラスも理解出来るはずだろうに…。